『 母という病 』 岡田尊司 ポプラ社 (2012/11/2)
とらえ方を間違えて読み始めた本書
母である、ということの苦しみやプレッシャー、葛藤を問うた内容かと思ってしまったんですが。。。
実は、” 母が病原体 ” であるというショッキングな内容でした。
子どもは生まれてすぐ母乳をもらい、胸に抱きしめてくれる存在がいるべき。
親を選んで生まれてくることができない子どもでも
この世に出た瞬間から愛されることで心が安定し後々の性格形成を左右する。
しかし、
親にかまってもらえず、育児放棄さながら放ったらかしにされる子どもは
生まれからずっと心が不安定のまま成長し
うつ病やひきこもり、自殺願望が芽生える事例も多々ある。
また、愛情とは別の枠で
母に支配され、がんじがらめの日常を送っている子どもは、
知らず知らずのうちに母の機嫌をとる習慣が身についてしまう。
すっかり母に依存することで、いい歳になっても自己判断で物事がすすめられない、
自主的に行動することをしない、生活能力のない人間に育ってしまう。
自分の都合で子どもを可愛がったり遠ざけたりする身勝手な母親。
自分の言いなりになる子が可愛くて、反抗がはじまると放り出してとたんに無関心になっていく。
そうやって母の態度にふりまわされる生活を余儀なくされてしまっては
平常心でいることが難しくなるのは当然。
ある程度成長した子どもはいつしか、母との決別が必要と気づき始める。
その反面、母から逃避しきれない、母を捨てられない自分と葛藤することになる。
母と子どもの立場が逆転しつつある時、第三者の存在を頼り、一度距離をおいてみることが必要になる。
母から相手にされない、受け入れられない子どもほど
母からのほんの些細な愛のかけらを待ち続けている。
明日こそ、明後日こそ、と期待をかけて。。。
この書の中では、多くの著名人が「母という病」と闘ってきたと明かされています。
日本国内はもとより、全世界で名を知れた人物も、表面下で母との決別を余儀なくされたという事実。
誰もが知っている名スター、芸術家の名が挙がっています。
ワタクシは、自分自身が元凶になっていないか、じっくり考える機会を与えてもらいました。
その場合、犠牲者はひとりに限定されるわけで。。。
今までコンタクトしてきた数々が過ちであったかもしれないと思うと切なくなります。
子ども自身が、まだそのことに気づいていない、ということも十分考えられることですから。
表面に出ない範囲で悪影響を与えていたとしたら正さないといけませんね。
きちんと聞いてみる必要があるのでしょうか。。。。悩み中です。
ここ数年、「夫源病」と命名された病(?)が世間に浸透してきたこともですが、
身内で痛めつけ合ってどうするんでしょう。。。と、トホホな気分ですね。