『聞く力 −心をひらく35のヒント− 』 阿川佐和子 文藝春秋 (2012/01)
パパさんが読みたいと言うので図書館にリクエストして数カ月。
だいぶ売れているらしいのでいつも観てるTV番組でとりあげられてたんでしょうか。
司会やインタヴュアーとして活躍なさっている阿川さんの著書。
”営業” に活かそうと思ったのか (今さら
) 真意は定かではないけれど、日ごろマンガしか読まない彼の願いは叶えてあげたい。
ワタクシも阿川さんの本好きだし。。。
古い本で、お友達の壇ふみさんとの対談集とか往復書簡がシリーズであったので面白く読ませていただいたことも。
今、改めて検索してみてお二人とも慶應義塾大学卒ということがわかりました。
歯に衣着せぬ痛恨のコメントがなんとも楽しいお二人です。
さて、本書についてです。
対談のお仕事をされて、よく知った人、ちょっと知ってる人、初対面の人、怖い人、楽しい人、無口な人。。。多種多様な方々のお話を聞いてらっしゃるうえでの苦労話や予期せぬ収穫(面白話)が書かれています。
そして、人に話を聞くにあたっての心得。
35のヒントを全部というわけにはいきませんので、かいつまんで。
幾多のお見合いが会話の勉強になった、なんて言っておられますがホント、お見合いほど相手を知る為に上手く本音を聞き出すテクニックが必要な状況はありませんよね。
また、著名人との対談では相手のことを全く知らないでは話にならないので事前に予備知識を入れるよう資料を渡されるとのこと。
その資料読みが間に合わないこともある。
恐る恐る話が始まって、会話がかみ合わなくなったとしても ”知ったかぶりはしてはいけない” んです。
バレるんです。
対談の段取りを用意周到にして大失敗をした苦い経験も。
せっかく話がはずんでいい雰囲気になったのに、的外れな次の質問によって話の流れを途切れさせ、終始まとまりのない結果に。
このことから、人の話を注意して聞いて、その内容に関連した事項からヒントを得て話を膨らませてゆく技量が大切ということを学んだそうです。
相槌の大切さについては、こんなふうに。
「聞いていますよ」 のサインを常に出していれば、よほどの人じゃない限り会話は続いていくもので、感心を持たれていると判れば、「あれも言っちゃおっかな」って気になるってものだと。
ゲストの立場からすれば、話をさせられているんだけれど、対談が終わるときになって ”あたしってこんなこと思ってたんだ”と気付く人がいるそうです。
それは、人に話すことによって自分が持っている思想や感覚を整理しているからなんだと思います。
日記を書いていればわかりますが、 ”なんとなく” ではなくて文字にして表現するとなると ”具体的” な言葉になりますよね。
改めて、他人に聞かれて初めて自分の考えを整理した覚えのある人も多いのではないでしょうか。
コミュニケーション不足になりがちな昨今、すすんで会話を楽しんでみると知らなかった自分に出会えるのかも知れませんよ。
阿川さんご自身はこのような本を出されることに謙遜されていますが、身近な人 (よく拝見している、という意) の気取らない文章なのですんなり頭に入ります。
参考にされたい方は是非一読くださいませ。