美しいぼろ布展「BORO」

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    浅草寺にほど近い「アミューズミュージアム」にて2019年3月末日まで開催中です。

     

    今から50年ほど前、東北をほぼ単独で調査して足で集めたボロ布や衣服、古民具ほか

    民俗学者である田中忠三郎氏のコレクションです。

     

    極貧・極寒の青森で人はどのように生活していたのか。

    当時、木綿を使うことを禁じられ、麻のみで厳しい冬の寒さをしのいでいた農民たち。

    どんなに小さな布切れも粗末にしない。

    大切に大切に重ねたり縫い合わせたりして苦労して工夫して生活に最低限必要なものだけを形に成して使う。

     

    宝物のように保存されている端布を見ると、

    使うあてのないハギレを持て余している今の自分がまるで愚か者のような複雑な気持ちになります。

     

    夜は親が子供を守るように裸で抱き合って眠るそうです。お互いの体温を蓄熱させるように。

    ボロを継ぎ足して継ぎ足して、重ねて重ねて厚く重くなった布をまとうようにして。

    幾重にも布を重ねることで何キロもの重さになった掛布団が展示されています。

    その重さを手で触れて確認することができるのですが、

    物理的な重さ以外に、重要な何かを感じさせられます。

     

    極寒の東北で、今のような暖房器具のない環境で十分でない寝具の心もとない温もり。。。

    布に限らず、あらゆるアイテムがあふれすぎている生活に慣れてしまっている現代では

    想像するのさえ難しい問題です。

     

    そんな過酷な状況においても、女性は少しだけオシャレ心を刻み主張します。

    その健気な痕跡も垣間見ることができるのです。

     

    寺山修司氏も、自身の映画撮影に田中氏のコレクションを使ったそうです。

    オファーの経緯から映画のシーンの写真パネルの展示や衣装を着たトルソーも見ることができます。

     

    こちらのミュージアムは老朽化により2019年3月末日で閉館となります。

    公式HPは以下になります。

    http://www.amusemuseum.com/blog/2018/04/10-1082.shtml

     

    田中氏のコレクションはきっと場所を移して展示が継続されることでしょう。

    そうであってほしい、と切望します。

     

    展示会場内随所に掲示されているパネルには田中氏の著書のヒトコマが抜粋されています。

    これがまた心に響くのですね。

     

    田中忠三郎『 物には心がある 』は同館1Fで販売しています。

    書店では買えないようなので、こちらでお求めください。

     

    見ごたえタップリの特別展。

    貧しくて悲壮感ただようだけの展示ではないことを感じられると思います。

    ざわざわとした残像がいつまでも残る忘れられない企画展です。

     

    興味がございましたら、ぜひ期限までに訪れてみてください。


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      • 2019.07.18 Thursday
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      • 19:02
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